プロダクト・ソリューション
Product Solution

V5からV6へのアーキテクチャー変遷

V5(バージョン5)とV6(バージョン6)は、その製品名のバージョンの番号が、5から6と変遷していることから、通常の機能拡張によるバージョンアップのように思われます。確かに、バージョンアップとしての機能拡張は、当然十分にありますが、それよりもシステムの構造や、導入活用における考え方など、大きく異なるところがあります。ここでは、この違いを見てみます。

V5からV6へ、そして3Dエクスペリエンスへ

V5からV6,そして3Dエクスペリエンスへの変遷をそれぞれ一言で表現すると、

  • V5は、それぞれのシステムの機能を重視し、「データ連携」を目指し
  • V6は、それぞれのシステムの「データ統合」を目指し、
  • 3Dエクスペリエンスは、全体の「システム統合」を目指した

という表現が一番近いのではないでしょうか。機能面等から詳細に検証すれば、この表現は、必ずしも正しくないかもしれませんが、全体の傾向としてご理解ください

V5では、CATIAで作成された3次元モデルデータをENOVIAで管理し、SIMULIAで解析し、その解析結果をCATIAで確認するなど、それぞれのシステムのデータを連携して利用することができます。
一方、V6では、CATIAの3次元モデルデータ等は、全てENOVIAで管理されることが前提となっており、シングル・データベースで、それぞれのシステムのデータは統合されています。
さらに、3Dエクスペリエンスでは、CATIA、ENOVIA等のそれぞれのシステムは、個々に利用されているイメージではなく、共通のワークペンチから、必要な時に必要な機能が利用されるようになっていることから、システム全体が統合されていると言えます

システム構造としてのPDMとPLM

V5アーキテクチャー
V6アーキテクチャー

次に、すこし技術的にシステム全体の構造、アーキテクチャーを見てみます。V5は、その変遷からCATIA,DELMIA,ENOVIAと大きくシステムを拡張しながら、ENOVIAが、まさにPDM(Product Data Management:製品データ管理)機能として、それぞれのデータを管理します。つまり上図からもおわかりいただけるように、システム構造は、積み上げ型です。一方、V6では、PDMがデータ管理の基本機能として、CATIA、DELMIA,ENOVIA自体のデータを管理するのが前提であり、それぞれのシステムは、シングル・データベースを利用する形式になります。よって、このシステム構造は、PDM統合型と言えます。まさに、設計・開発から製造とほとんどの工程で、製品データが活用できるPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)ができると考えられます

クライアント・サーバー型からWebサーバー型へ

V5では、データが連携されたら、次には、その連携されたデータをどの様に多くに人達で活用するか、そのデータ活用のためのデータの接続方法が問題になりますが、ここでも、V5,V6では大きな違いがあります

V5アーキテクチャー
V6アーキテクチャー

V5は、クライアント・サーバー型のネットワーク構造が中心となります。よって、ローカルにサーバーを置くこともネットワークの速度や環境においては検討されます。また、個々のクライアントは、グローバルには、サーバーが接続されているネットワーク環境があれば、利用できます。
一方、V6は、Webサーバー型のネットワークが標準であることから、グローバルには、Webに接続できる環境があれば、接続は可能です。但し、セキュリティーに対する配慮は充分に行われる必要があるので、V6では、直接サーバーからデータをコピーしただけでは、見ることができないなど、充分に配慮されています。

製品データで企業をつなぐコミュニケーション・ツール

V5は、どちらかと言うと、それぞれの機能を重視し、設計・開発から製造の個々の業務の生産性向上を狙ったといえます。さらに、V6は、シングル・データベースを核として、設計・開発から製造、さらに市場でのサービスを担当する人達から、サプライヤーの方々までが活用してコラボレーションを推進するためのコミュニケーション・ツールとも言えます。グローバルな開発、製造、そして製品販売には、必須なツールといえます。

部分最適に全体最適をプラス

最後に、PLMシステムを導入し、展開、活用する段階について考えてみます。これまでご説明してきましたように、V5は、設計・開発、製造等におけるそれぞれの業務の生産性を向上させることを重視した、最高のシステムです。よって、V5の導入は、それぞれの業務の現場で、どの様な機能をどの様に活用すれば、最大の生産性向上が得られるかを、考えて導入します。これに加え、V6の導入は、企業全体、さらには、グローバルに、いかにシングル・データベースを構築し、これを活用する事で、企業全体の生産性向上が期待できるかを考える必要があります。つまりV5の部分最適に全体最適をプラスして考える必要があります。これらのことから、V6を導入し、展開、活用するには、全社プロジェクトとしての検討が必要なので、ややハードルが高いように思われるかもしれませんが、このハードルを越えた先には、企業としての大きな飛躍が待っています

3Dエクスペリエンス、CATIA、ENOVIA、SIMULIA、DELMIAは、アメリカ合衆国、またはその他の国におけるダッソー・システムズ社の、またはその子会社の登録商標です。また、当ページの画像は、ダッソー・システムズ社殿よりご提供いただきました